自己正当化

　友人に「一人さびしく階段で飯食ってるお前を見たっていう目撃談がある」とか何とか言われた。誰だ「階段で」なんて付け加えたのは。そんな往来の妨げになるような行為をする私ではない。孤食に利用するのは主に空いている教室である。
　私は食事しながら話しをするなどという真似は好まないので基本的に一人で食べる。余計な口を挟み挟まれながらでは飯が不味くなる・・・と言っては極端だが、味わうことに集中できなくなる＝楽しみを若干なりとも削がれることは確かである。
　そして、私が学校で食事する場合、たいていは自作の弁当である。学食を使えるほどの金持ちではないのだ。
　混み合う食事時の学食で、あなたは席を探している。目に留まったのは、堂々と椅子に座り自分の弁当を食べている男。おそらくあなたは追い出したくなるはずだ。
　そんな思いをされたくない私は、今日も独りで食事をする、というわけだ。

　でもほとんどの人は学食で、あるいは生協の弁当を食べる。そのくせ皆「金が無い」などと言うのはいったいどういう了見なのか、理解に苦しむよ。
　「生協に寄せられたご意見」で、こんなものがあった。「ぺヤングの超大盛りヤキソバを販売してください。200円もしないという破格なので、学生諸君は助かること必至です。ぜひ取り入れてください。学生はみんなお金に困ってます。」
　確かその「ぺヤングの超大盛りヤキソバ」はレギュラーサイズ2個分のボリュームだと聞いた。が、今時分ヤキソバなぞ三食入り100円で買えるのである。もちろん自分で炒める必要はあるが、ああ、その程度の手間さえも惜しめる程度に金に困っているというわけか。

　もちろん、自分の金をどう使おうとも本人の勝手。文句を言う気は無いよ。